英語を話したい、海外の人ともっとスムーズに会話したい──そんな風に思って勉強を始めたものの、「相手の英語が全然聞き取れない……」と落ち込んだ経験はありませんか?
実は、英会話では相手の言葉を一語一句すべて聞き取る必要はまったくありません。むしろ「すべて聞き取ろう」と思うほど緊張して耳が固まり、余計に入ってこなくなることすらあります。
アメリカ・ヨーロッパ・東南アジアで計20年間生活してきたノンネイティブの私自身の目線でちょっとした英会話上達のコツをシェアできればいいなと思います。
では何が大事なのかというと、
聞き取れた単語を手がかりに、状況や文脈から“たぶんこういう意味だろう”と推測する力。
これは本当に重要なスキルです。
簡単な例えですが、たとえば外国人の同僚から、
> “Hey, this afternoon, … schedule … change … okay?”
と早口で言われたとします。
たぶん “午後のスケジュールを変更してもいいか?” という内容だろう、と推測できますよね。
実際の現場では、こんな“推測力”がコミュニケーションを支えてくれます。完璧なリスニング力より、状況判断のほうが圧倒的に使えるのです。
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おうむ返しは「インプット」と「アウトプット」の同時トレーニング
英語を話す力を効率よく伸ばしたいなら、ぜひやってほしいのが**おうむ返し(シャドーイングの簡易版)**です。
相手が言ったフレーズをそのまま返すだけ。それだけなのに、効果は絶大。
ポイントは、
相手の英語を聞いてインプット
その場で同じ表現を口に出してアウトプット
正しい表現をそのまま自分のものにできる
という“同時進行の学習”になっていることです。
単語帳を眺めるより、文法書を読むより、実際のフレーズを身体で覚えたほうが会話力は伸びます。子どもが言葉を覚えるやり方に近いので、自然に定着していくんですね。
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完璧な発音より「ゆっくり・はっきり」のほうが圧倒的に通じる
英語には、アメリカ英語・イギリス英語だけでなく、インド英語、シンガポール英語、フィリピン英語など、世界中に多様なアクセントがあります。もちろん日本人が話す英語にも“日本人アクセント”があります。
でも、ここで誤解してほしくないのは、
日本人のアクセントがあることは悪いことではない
ということ。
世界中の人がそれぞれのアクセントで英語を話しているのだから、日本人だけが「アメリカ人みたいに発音しなきゃ」と思い詰める必要なんてまったくありません。
むしろ一番大事なのは、
ゆっくり、はっきり話すこと。
同じアクセントでも、ゆっくりはっきり話すだけで通じやすさが格段に変わります。
早口でネイティブっぽく話そうとすると逆に伝わらなくなります。
それよりも、シンプルな単語をつなぎ、はっきり発音し、落ち着いて話したほうが圧倒的にコミュニケーションが取れます。
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英会話は「技術」より「姿勢」。まずは伝えることを楽しむ
英語が通じるかどうかは、発音のうまさでも語彙力の多さでもありません。
少しの単語から意味を推測する
わからなくても聞き返す
知っている表現をおうむ返しして吸収する
とにかくゆっくり・はっきり話す
この4つを続けるだけで、英会話は確実に上達します。
英語は“完璧な正解”を求める科目ではなく、コミュニケーションの道具。多少間違えても、アクセントが日本人っぽくても、相手に伝われば100点なのです。
英語を学ぶうえで一番大事なのは、自信を持って話す姿勢。
そして「伝わった!」という小さな成功体験を積み重ねていくことです。
肩の力を抜いて、ぜひ今日から試してみてください。話すたびに、世界がちょっと広がっていくはずです。


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