日本に住む東南アジア人コミュニティの光と影:タイ人の妻が語る内輪トラブルの実態

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日本には、タイ・ベトナム・フィリピンなど、東南アジアから多くの人が働きに来ている。外国で生活する上で、同郷同士で助け合うコミュニティは心の支えになる一方、内部でのトラブルも少なくないという話を耳にする。

今回の記事では、**タイ人の妻と日本で暮らす私が、彼女から聞いた“海外コミュニティのリアルな問題”**について紹介したい。

■ 地方で暮らすタイ人妻の現実:頼れる相手は夫と猫だけ

私の妻が日本で生活を始めて、もうすぐ3ヶ月。

日本語はまだほとんど話せず、住んでいるのは都会ではなく地方都市。周囲にタイ人の知り合いもおらず、運転免許がないため、車社会の地域ではひとりで外に出るのも難しい。

そのため、彼女が話せる相手はほぼ私だけ。

家にいる2匹の猫にもよく話しかけているが、やはり「誰かと自分の言葉で話したい」という気持ちはあるはずだ。

普通なら、同じ国出身の人を探して交流し、孤独を和らげる方法もある。しかし妻は「日本のタイ人コミュニティに積極的に関わりたいとは思わない」と話す。

その理由を掘り下げると、海外コミュニティが抱える根深い問題が見えてきた。

■ 「海外のタイ人は内輪で揉めやすい」その理由は?

妻いわく、これは日本に限らず、アメリカ・ヨーロッパ等どの国でも同じ現象だという。

“海外のタイ人同士はトラブルが起きることが多い”

というのだ。

具体的には、こんな問題が起きやすいらしい。

● お金の貸し借りトラブル

同郷だからと軽い気持ちでお金を貸す → 返ってこない → コミュニティ内で亀裂が生まれる。

● 嫉妬・噂話・派閥

外国で生きるストレスから、小さな嫉妬や噂話が炎上しやすく、人間関係がこじれる。

● 仕事の紹介をめぐる衝突

紹介料や労働条件をめぐってトラブルになったり、仲がこじれたりする。

● コミュニティ内の力関係

長く住んでいる人が“ボス化”して、ルールや人間関係が歪むことも。

もちろん、これは一部のケースに過ぎず、穏やかに助け合えているグループもある。しかし妻は「海外のタイ人は揉めごとが多い」という印象を強く持っているようだ。

では、なぜそうなってしまうのか?


■ 背景にある“出自”と“日本に来る理由”

妻の説明によると、タイ人コミュニティのトラブルが発生しやすい背景には社会構造が関係しているという。

● 日本人男性とタイ人女性の出会いの多くは“夜の街”

特に日本の場合、

日本人男性 × タイ人女性の夫婦

の出会いは、タイのナイトワークの場が多い。

ナイトワークに就いている女性のなかには、貧しい農村部で育ち、家族を支えるために若い頃から働いている人も多い。

そのため、

教育の機会が少ない

金銭感覚が安定しない

人を頼りにせざるを得ない状況が多い

という背景を持っている場合もある。

こうした事情は、決して「悪い」という話ではない。

むしろ家族思いで芯の強い女性たちが多いと妻も言う。しかし、生きてきた環境の違いは、人間関係の摩擦を生みやすい。

その結果、

「お金」「嫉妬」「噂話」「依存」

などの問題が発生しやすくなるのだ。

■ 妻がコミュニティに近づかない理由

妻は基本的に人と群れるのが得意なタイプではなく、必要以上に巻き込まれたくないと考えている。

彼女ははっきりこう言った。

> 「揉め事に巻き込まれるぐらいなら、ひとりのほうが楽。」

孤独を抱えやすい外国生活の中でも、彼女は静かに自分のペースを守っている。

だからこそ、私としてはできる限りサポートし、安心して生活できる環境を作りたいと思っている。

■ まとめ:コミュニティは“支え”にも“リスク”にもなる

日本に住む東南アジア人コミュニティは、

孤独を癒す大切な場である一方、トラブルとも紙一重

という現実がある。

もちろん、すべてのグループが問題を抱えているわけではないし、多くの人は助け合いながら生活している。しかし文化や価値観、生い立ちの違いによって、摩擦が生まれやすいのも事実だ。

妻の話を聞く中で、

「海外で生活することの難しさ」

「人間関係を選ぶ大切さ」

を改めて感じた。

これからも、彼女が安心して日本で暮らしていけるよう、夫として支え続けたい。

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